成年後見人の報酬について

成年後見人の報酬は、年に1回、成年後見人の申立てにより、家庭裁判所が決定します。
ご本人の財産の額や成年後見人の業務内容に応じて、ご本人の財産から支出されます。
ご本人に財産がない場合はどうなるのでしょうか?
自治体によっては、ご本人の経済状況に応じて、成年後見人の報酬を助成してくれる場合もあります。
しかし、報酬助成の対象を成年後見開始の申立てを自治体の首長がした場合に限ったり、全く助成制度がない自治体もあります。
ご本人の資産がなく、自治体からの助成もなければ、成年後見人は事実上無償で業務を行わなくてはならなくなり、このような案件には成年後見人の引き受け手が見つからないという問題が生じます。
また、自治体によって助成の有無や条件が異なるというのでは、居住地によって待遇の差別を設けることとなり、法の下の平等(憲法第14条1項)の観点からも問題があるといえます。
高齢化社会のさらなる進展に備え、各自治体による報酬助成制度の充実を図ることや、立法による全国一律の報酬助成制度の整備が必要と考えます。
                                                   令和2年11月30日 

カテゴリー: .etc | コメントをどうぞ

Q.家族が警察に逮捕されてしまいました。対応を教えてください。

A 警察に逮捕されると、48時間以内に検察庁に身柄が送られ(検察官送致)、検察官の取り調べを受けます。検察官がさらに身柄を拘束する必要がある(逃亡や罪証隠滅のおそれなど)と判断すると、裁判所に勾留の請求をします。勾留期限は10日間で、やむを得ない事由がある場合はさらに10日間の勾留延長がされます。
  勾留期間が満了すると、検察官が公判請求(公開の法廷での裁判)、略式命令請求(罰金刑)、起訴猶予、不起訴などの処分をします。
  従って、検察官に勾留請求をさせない、勾留請求を却下させる、起訴猶予・不起訴処分を得るための対応が必要となります。
  勾留された場合で、長期3年を超える懲役・禁固刑に相当する事件では、国選弁護人の選任を請求することができますが、それ以外の場合は自分で弁護人を付ける必要があります。
  当番弁護士といって、弁護士会から派遣された弁護士が、初回無料で、接見を行う制度がありますが、そこで接見した弁護士に依頼するのもよいでしょう。いずれにしても時間との戦いですので、早めに弁護士に相談したほうがいいでしょう。

カテゴリー: .etc | コメントをどうぞ

Q.アパートの借主が家賃を払ってくれません。

A.内容証明郵便を送るなどして家賃の支払いを請求しましょう。
 それでも支払ってもらえない場合は訴訟を起こすことになります。

また、家賃の不払いを理由に賃貸借契約を解除してアパートからの立ち退きを求めることができます。この場合も立退き訴訟を起こして勝訴判決を得てから、強制執行をすることになります。訴えを起こしてから立退きまで半年程度かかるので、家賃滞納が多くなる前に早めに弁護士に相談することをお勧めします。

カテゴリー: 不動産トラブル | コメントをどうぞ

Q.障害を持つ子がいますが両親が亡くなった後に備える方策を教えてください。

A.

  • 身体障害等で子に意思能力、契約能力がある場合
  子が成年であれば本人に任意代理契約及び任意後見契約を結んでもらい、親が
  心身ともに衰えてきた時や死亡した時に開始するようにしておくとよいでしょう。
  子が未成年であっても子に意思能力があれば親の同意で任意後見契約の締結が
  できます。
  • 知的障害、精神障害等が重く契約能力がないと思われる場合
  子が未成年であれば親の親権に基づき任意後見契約を締結しておくことができます
  子が成年の場合法定後見を利用することになります。
  親が高齢になってきたら信頼できる人を後見人候補として申立てして親の生存中
  に手続きをとっておくのが安心です。身近に安心して任せられる人がいない場合
  弁護士や司法書士等の専門職を後見人候補者として申し立てするのがよいでしょ
  う。
 
いずれの場合も子供の将来のために公正証書できちんとした遺言書を残しておくことが重要です。当事務所では任意後見、法定後見、遺言書作成を取り扱っておりますのでお気軽に御相談下さい。

カテゴリー: 後見人/委任契約 | コメントをどうぞ

Q.死後の事務の委任契約とはどんなものですか?

A.亡くなった後に支援を受けるしくみです。
成年後見制度は生存中に支援を受ける制度なのでお亡くなりになったと同時に後見人の仕事は終了します。もし周囲に死後のことを頼める方がいらっしゃらない場合、葬儀や埋葬の事務を委託し、その委託に係る事務について代理権を付与する委任契約です。

死後の事務の委任契約でできることの例
 葬儀.納骨
 各種費用の清算
 遺品等身辺整理
 死亡届等役所関係の手続き
 その他

※お子様がいない等身近に死後のことを頼める方がいらっしゃらない場合、任意後見制度の契約と同時に死後の事務委任契約を結んでおくことをお勧めします。
お元気なうちに任意代理契約.任意後見契約.死後の事務の委任契約.遺言を公正証書でセットにして契約しておくことで安心してあなたの希望する生活ができることになります。

カテゴリー: 後見人/委任契約, 相続 | コメントをどうぞ

Q.遺言書の検認手続きとはどういうものですか?

A.遺言の有効、無効を判断する手続きではありません。

相続人に対し遺言の存在及びその内容を知らせるとともに、検認の日現在における遺言書の内容を明確にして遺言書の偽造、変造を防止するための手続きです。
遺言書の保管者、又は発見した相続人は遺言書を家庭裁判所に提出して家庭裁判所に検認を請求しなければなりません。
封印のある遺言書は、家庭裁判所で相続人等の立ち会いのもとに開封しなければいけないことになっています。
遺言を執行するためには、遺言書に検認済証明書が付いていることが必要ですので、検認済証明書の申請をして下さい。
公正証書による遺言は偽造、変造の恐れがない信頼できる公文書なので検認の必要がなくすぐに相続の手続きができることになります。

検認申立てに必要な書類

1.申立書
2.標準的な添付書類
 遺言者の出生時から死亡時までのすべての戸籍(除籍、改製原戸籍)謄本
 相続人全員の戸籍謄本
 遺言者の子(及びその代襲者)で死亡している方がいる場合、その子(及びその代襲者)の出生時から死亡時までのすべての戸籍(除籍、改製原戸籍)謄本
※相続人が遺言者の配偶者と父母.祖父母の場合や相続人が不存在の場合、遺言者の配偶者のみの場合、又は遺言者の配偶者と兄弟姉妹及びその代襲者の場合それぞれ別の戸籍(除籍、改製原戸籍)謄本が必要になってきます。

詳しくは家庭裁判所あるいは当事務所に御相談下さい。

カテゴリー: 相続 | コメントをどうぞ

Q.独り暮らしの高齢者です。判断能力に問題ありませんが、病気などで体が不自由になった時の事が不安です。

A.
任意後見契約を行う際に、民法上の委任契約に基づく代理人としてあなたの財産管理の事務を執り行えるように、あらかじめ契約を行っておくとよいでしょう。
任意代理契約といいます。

任意代理契約でできることの例としては
・不動産の管理
・年金などの金銭管理
・役所などでの諸手続き
・医療費の支払い
等があります。

任意後見契約との違いは任意代理契約にはあなたの代わりに代理人を監督してくれる人がいませんので、あなた自身が代理人の仕事ぶりをチェックできることが前提となります。
ですので判断能力に問題の無い方で身体能力が低下した方が利用できる契約となります。

カテゴリー: 後見人/委任契約 | コメントをどうぞ

Q.公正証書とはどんなものですか?

A.
公証人(法務大臣が任命する裁判官、検察官、法務局長、司法書士などを長年つとめた人から選ばれる。)が作成する公文書です。
極めた強力な証拠力があり、裁判になっても立証の苦労が要りません。

原本は公証役場に保存されますから、紛失、偽造、変造などの心配がありません。
強制執行が出来る旨の条項を入れることで、相手方が金銭債務を履行しない時は、訴訟を起こさなくても、不動産、動産、給料などの財産を差し押さえる強制執行ができ、債権を取り立てることができます。また、債務者が倒産した場合など、公正証書によって簡単に配当要求ができます。

カテゴリー: .etc, 借金問題, 相続 | コメントをどうぞ

Q.成年後見人の役割は何でしょうか?

A.
1.本人の心身の状況や生活の状況に配慮して通院や入院、施設の入所や退所、
 介護サービス契約の締結や変更、解約を行う(身上監護の事務)

2.本人を代理して契約締結や費用の支払いをする(財産管理の事務…預貯金.不動産)
 等を行うことによって本人を保護.支援することが主な仕事です。
 成年後見人の仕事は本人の財産管理や契約などの法律行為に関するものに限られており、
 食事の世話や実際の介護などは、一般に成年後見人の仕事ではありません。

カテゴリー: 後見人/委任契約 | コメントをどうぞ

Q.将来認知症になって財産の管理が難しくなった時のことが心配ですが何かよい方法がありますか?

A.成年後見制度があります。

将来自分が財産管理をできなくなった時に備え、判断力が十分なうちに信頼できる人や専門職(弁護士、司法書士等)を自らが選んだ代理人として契約したこと公証証書にして登記しておく方法(任意後見制度)と認知症、知的障害、精神障害等ですでに管理できなくなっている場合は本人、配偶者、4親等以内の親族が家庭裁判所に申立てをして後見人法定後見制度)が決められる方法があります。法定後見の場合は自分の希望どおりの後見人が認められるとは限らないので老後の備えとして判断力のしっかりしているうちに自分の財産を任せられる人を決めて公正証書にしておくことをお勧めします。

カテゴリー: 後見人/委任契約 | コメントをどうぞ